アタマジラミは、人の皮膚から吸い出した血液を養分として生きているヒトジラミの一種で、宿主であるヒトの頭髪に生息し数を増やす寄生虫です。また、ヒトにのみ寄生して生きているので、ヒトから動物などに移る事は無いそうです。
反対に動物から、ヒトに移る事も無いそうなので、ヒトからヒトへと移り寄生して子孫を増やしてきたという事になります。
という事は、人口が多いほど感染経路が増えるので流行しやすいという事がわかります。そうなると、田舎の生徒数の少ない幼稚園や小学校より、人口が密集している都心部の幼稚園や小学校の方が流行のリスクが高いのです。
感染経路の主たる方法は、頭髪と頭髪が触れる事で直接アタマジラミが移動してくる事ですが、プールの授業で更衣室のロッカーを共有したり、バスタオルを忘れた生徒に他の生徒が貸すなどして感染する事もあるようです。
となると、運動会などで使用する紅白帽などの共有も気をつけなければなりません。
また、アタマジラミに今まで感染した事が無いと自覚症状に乏しく、それが、アタマジラミのせいだとわからない場合もあり、知らず知らずの内に数が増えてしまい、かゆみが強く出る頃には、結構な数となっていたなんていうのもよく聞く話しです。
病原体を持っていなければ、放置してもアレルギー反応でかゆみが出るだけかもしれませんが、早めに処置したいところですね。
これは、お子さん本人が気づいていない事もそうですが、家族もアタマジラミに感染した事が無ければ、気づくのが遅れてしまうこともあるそうです。特に、若い世代のお母さんなどは、アタマジラミそのものを知らない事も多いのだとか。
すると、見つけた後のケア方法の誤解も生じることがあります。
頭皮の汚れであれば、シャンプーを普通にすれば取り除く事が可能ですが、アタマジラミの場合は、汚れのように簡単の除去できるものでも無いので、清潔か不潔かという事も関係なく、きちんと正しいケアを行わないと完全駆除も遅れてしまいがちです。
その上、ここ最近では、従来の成分であるフェノトリン(商品名スミスリン)を使っても駆除出来ない薬剤耐性シラミが増えてきているので、そうして、生き残って進化したアタマジラミが増えると、生徒数の多い学校では、更に、流行がひどくなる可能性も考えられますので注意したいところですね。